たぶん、こうなる

事業づくり、サービスづくり、マーケティング、クリエイティブディレクションなどなど

PRのしごとに触れて学んだこと

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 ひさしぶりの更新ですが、自分のキャリアやマーケターとしての能力開発の観点から非常に良い学びを得られたのでまとめておこうと思います。

 そもそも、この1年間はHR領域以外の新規事業のゼロイチにチャレンジをしているのですが、今まで強みとしていたデジタルマーケティング以外の仕事がほとんどです。たった1年でも多くの経験ができてる実感がありますが、その中でも特にPRや広報の仕事での学びや発見がとても大きなものになっています。 

幾度となく作り直すストーリー

 長らくマーケティングの立場で売上やユーザー数という比較的わかりやすい目標を追いかけていましたが、ゼロイチにおいて「事業立ち上げ」と「事業成長」がミッションとなる中で、PRの仕事にはじめて関わることになりました。実際の業務としては、サービスのローンチに合わせて、自分たちのサービスのミッションとビジョンを正しく世の中に発信し、社会と接続するための記者会見のストーリーづくりやプレスリリースなどを広報チームと連携しながら経験しました。

 なんとなく思っていることを、カタチにすることはそう簡単ではありません。つくったストーリーは何度も何度もつくり直しましたし、言葉の表現ひとつとっても幾度となく修正をしました。まさしく産みの苦しみだったとは思いますが、このプロセスを通じて、自分たちのプロダクトとミッションを世の中に伝えるためのストーリーづくりを経験することができました。 

はじめて経験した社会からの反応 

 正直に告白をすると、ずっとマーケティングの領域から事業のKPIをわかりやすい指標でグロースさせることにコミットしてきた自分からすると、広報やPRの活動はなんとなくボンヤリとしているように見えていたし、半信半疑なところもありました。(なんて未熟な。。。ごめんなさい!)

 ただ、実際自らも頭と手を動かし、いざ世の中に出てみると、「いいサービスだね!」「応援したい!」という応援に近い反応をいただくこととなりました。これは、自分たちのサービスのミッションや果たすべき役割が正しく伝わり、共感や応援に変わった瞬間でした。同時にともに挑戦する仲間が今までどれだけ大きな仕事をしていたかも体感しました。またマーケティングの立場ではメディアは「買うもの」でしたが、PRの立場からみるメディアは「気持ちを伝えたいパートナー」と変わったことも大きな学びでした。

マーケターとしての能力開発においても重要なキーワード

 私の中では「価値あるサービスを世の中に広げる(つまり事業成長)」ことがマーケティングの役割であり、その定義においてはPRの役割も同じだと考えています。ただし、PRの活動の方がその言葉や意味合いからも、マーケティングよりもコンセプチュアルな思考を求められるように思います。売上やKPIとは異なるコンセプチュアルな仕事は、自分たちの身近に存在する社会課題と事業の価値やミッションやビジョンを常に考えさせられますし、未来のあるべき姿を考えることになります。

 それは社会の課題や世の中に流れる文脈を理解し、ストーリーや言葉を武器に世の中と接続する仕事であり、私自身が目指すマーケター像からしても身につけておかなければならない能力だと思っています。さまざまなサービスが世の中に溢れ、スペックやプライスでは差別化がむずかしい環境において、顧客が最後にそのサービスを選ぶ理由はこういった想いや理念になってくると考えています。つまり競争優位性を得られるということです。

 PRや広報という領域においては、自分自身はズブの素人だと認識していますが、本来分けて考える話ではありませんし、極めて相性の良い領域だと思っています。本質的に社会と顧客に価値を伝えるという意味合いにおいては、マーケティングとPRは地続きの領域であり、決して分断できるはずがありません。それを体感したこの1年だからこそ、「社会に価値を伝える」ことをミッションにあらゆる領域を行ったり来たりしながら、トライ&エラーを繰り返していきたいと思います。