アドテック関西2016 〜テックよりも、ココロのはなし〜
初のアドテック関西。
ありがたいことに今回はスピーカーとして呼んでいただきましたが、それはさておき、我々ベンチャー宜しく、とにかく学び、実践するために大阪に来ていますため、初期衝動的かつ新鮮な所感をまとめておきたいと思います。
参加したセッションはこちら
[Keynote – 1] クリエイターが変える、広告の未来像
[B-3] クリエイティブを次のステージに引き上げるデータの潜在能力
テックのはなしよりも、ココロのはなし
本当であればじっくりひとつひとつのセッションを噛み砕きたいですし、Evernoteを丸出しにしたほうが早いのではとも思うのですが、1日目を終えた所感はコレです。
最初のキーノートで木村健太郎さんも「テクノロジーに感情エネルギーをインストールする」という表現をされていましたが、テックがものすごく先を行っているようだし、様々なデータやテクノロジーのおかげで、精緻なターゲティングができるようになったけれど、それで人を動かしきれるんだっけ?
またクリエイティブやマーケティングに携わる身として、人間の本当のココロに近づいて触れないと人間はついてこないよね?といった類の投げかけがなされたと個人的には感じています。
マーケターはテクノロジーを使いこなせているのだろうか?
そのあとのセッションでも、アイレップ紺野さんやSupership小林さんがおっしゃっていたことはテクノロジーが進んで、機能的にも出来ることが増えた。でも果たして世の中やユーザーの目線でシナリオを描きコミュニケーションが出来ているのだろうか?
もっというと、テクノロジーが発達すればするほど、見込み客にリーチしやすくなるし、コンバージョンだってうまれやすくなるかもしれないけど、「気持ち悪いことしちゃってない?」と言われていると私自身は捉えています。プロフィールやデータだけだと、コンバージョンは動かせても、ココロは動かせないよね、と。
出来ることが増えているけど、やっちゃいけないことも増えている
テクノロジーの進化によっていろんなことが出来るようになったからこそ、ココロやモラルが問われているんだと解釈しています。
(アドやマーケティングの)世の中的には様々なことが起こった2016年ですが別にそれは、偶然でもなく、溜まりに溜まった様々な反動があってのこのタイミングなんだろうと。なぜならば、昔からリターゲはもちろん、プロファイルのターゲティングにおける気持ち悪さだってずっと言われていましたし、SEOだって、コンテンツだってそう。むしろ、そういったこと自体がどうこうというより、テックや機能、手法ではなくて、もっと世の中と顧客に認められるというマインドをマーケターが大前提として持ちながらシナリオを描き、推進する時期なんだと感じています。
マーケターの腕の見せどころなんだろう
だからこそ、腕の見せどころなんだろうなぁと。
マーケターたるもの、売上はもちろんつくりますが、そのためにも世の中や人間をみて、共感とそこからもたらされるブランドへの愛情をどうつくるのか。
売る、買わせる、登録させる、という言葉から、欲しくなる、使いたくなる、手元に置いておきたくなる、薦めたくなる、といった文脈への転換と、また同時に長い時間をかけて愛されるサービスに育てるという心構え(覚悟)の大切さなのではないかと。
そういう意味では、トップマーケターがテックよりも(もちろんテックの話はしていますし、テックを使うための文脈で話してくれています)ココロの話を投げかけてくれたアドテック関西は私個人としても、すごく気持ちのよいスタートとなりました。
一方で、そのココロやモラルに基づく、やっていいと悪いの一線を、誰がどうやって引くのか?という大きな課題感も生まれています。ぐるぐるしている。
そんなことを徒然なるままに書いていますが、今日は自分の本番なので思い切って楽しんできたいと思います。これまたとても強い課題感や思いを持っている分野についてのセッションです。またたくさんの方々にお会いできることを楽しみにしております。
[B-5] 今、広告会社にはこんな人材が必要だ! 役割変化の中で求められるスキルセット | ad:tech 関西 2016 official Web site